ユートピア学園は流行するか?~太陽と海の教室とエルコスの共通点

出ている人たちがうまいので、ついつい見てしまう。
「花より男子」の牧野進くんは、うまい。さすがだ。
「シナリオ」として完成しているから、伏線が張り巡らされているのが心地いい。
「未履修科目」の存在が「今」の問題であること、
「受験」がもたらしているよさと弊害…
今後の展開が楽しみである。

このドラマを見ていると、「ことばの重さ」に気付かされる。

『学校の先生は勉強ができない。
 大学で習った勉強は大人になってから使わないものばかりだからだ。』

悔しいけれど、そのとおりである。
それでも勉強しているのは、なぜか?
「知らないことを知る」欲求を人間の脳みそが持っているからだろうか?
答えはひとつでなくていい。
引用されている『ハチドリのひとしずく』の話は、話題の絵本である。

ハチドリのひとしずく いま、私にできること
光文社

ユーザレビュー:
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まじめに見ていないので、語ってはいけないのだろうが、
18日の放送を見ていて、連想したのは「ユートピア学園」だった。

ユートピア学園は「エルリックコスモスの239時間」に出てくる50年後の学校である。
学校のしくみに馴染まない、親ですらどうしようもなくなった「困った子」を集めて
「教育」という名前の「矯正」をする学校のことである。
セールスマンは冒頭のシーンで言う。
「未来の世界じゃ、こういう学校が大繁盛なんですよ。」
つまり、「困った子」がたくさんいるということだ。

劇中の「困った子」は、みなやさしい。
でも親にとって、学校にとって不都合な行動をとってしまったばっかりに
たまたまそういう特性を持って生まれてきただけなのに、
誤解され、命令をよく聞く規格内の人間にするために「ユートピア学園」へきた。
勉強ができないのをクラスメイトにいじめられ、朝になるとおなかが痛くなる子、
先生に言われたとおりに牛乳を飲まなくて叱られた牛乳アレルギーの子、
個性的なヘアスタイル=校則違反とされた子
母親が家出して、父親だけの家庭に寂しさを感じ深夜俳諧を重ねる子
ひき逃げされた子犬のお墓を作って遅刻したことを先生にひどく注意された子…

シナリオに起こしていく段階で、誰がこの台詞を読むのかと考えると、
胃が痛くなった。
はまりすぎたら、その子にとって傷になるかもしれない。
かけ離れすぎたら、せっかく練習した演技なのになのに、その子はほめてもらえないかもしれない。

もっと考えたのは、理事長である。
ユートピア学園は、『困った子」のための学園であり、
その学園を作った理事長の性格付けである。

小日向さんが番号で呼ぶのは生徒のこと、
エルコスに出てくるダニエラをはじめとするパルタとダーリーの3人組と同じである。
ダニエラは、自分の青春すべてを、「困った子」の矯正に捧げてきた。
当然子どもたちにとっては、嫌なやつだ。
理事長も同じだけれど、「困った子」を「なんとかしたい」という大人の気持ちを汲み取って(つけ込んで?)
お金儲けができそうなのが、「ユートピア学園」だと考えたのかもしれない。

でも、きっといい人なのである。
ダニエラもパルタもダーリーも、そして理事長も、ちょっとだけ「間違った」のである。
その間違いを気付くために、ストーン博士が作り上げたのが「エルリック・コスモス」というロボットなのだと思う。
エルコスが「許す」ということ、それが間違いを重ねながら、成長し、大人になっていく人間はなんて奥深い、いとしいものなのか、と照れくさいことばだけれど、改めて感じることである。
(エルコスのシナリオを再構成するにあたって考えたことはこちら→ )

劇の中では、エルコスが消えてしまう。
でもそれは、すべての人が「人間らしさ」と取り戻すきっかけになった。
「太陽と海の教室」では織田裕二がキーマンである。きっかけだと思う。
きっとエルコスか?と思う自分がおかしかった。

ドラマとはいえ、訴えかけているテーマはエルコスと同じだと感じる。
だからこそ、「ユートピア学園」があるかもしれないけど、
決して流行らないのだと信じる。
…そんなことを考えながら、ドラマを見続けようと思った。




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